東京国際女性映画祭に、行って来ました!
友人の映画監督、海南友子さんの新作、
「Beautiful Islands ビューティフル・アイランズ」を観て来ました。
http://kanatomoko.jp/beautiful/index.html
この数年、南に北に、とロケに出ていることの多かった海南さん。
「シシマレフ、めちゃくちゃ寒かった!」と言ってたと思ったら
「ツバルはホントにきれいなところだったよ」とか言ってたりして、
一体どんな作品になるのだろう、と思っていたら・・
なんと3年間かけて撮影したという今回の映画。
驚くような透明感と
力強い美しさにあふれるものでした。
今までの作品もそれぞれにすばらしかったけれど、
今回はまた桁外れにすぐれた作品です。
またも、歴史的な財産、です。
ホントにいい仕事してる。すばらしい。
南太平洋の島ツバル
ヨーロッパの都市ヴェネツィア
アラスカのシシュマレフ・・・
映画には世界のさまざまな場所で生きるひとたちの暮らしと
その土地が気候変動による水面上昇にさらされる様子が
淡々と映し出されます。
ナレーションも音楽もない映像は毅然としていて
いつの間にか観ている私も
その地に立ち、呼吸し、
陽射しや風を感じているような気持になってきます。
そして
自分の暮らす土地がだんだんと水に沈んでゆき
庭や、道路や、建物や、畑や漁場がなくなり、
やがて自分の家が、
そして足が濡れていることに気づいていく・・
舞台挨拶で話をしてくれた海南さんは、
「気候変動という課題を考えたときに
気候変動によって『失われて行くものとは何か』
をはっきり見つめたかった。
そして、
映像を観たひとが、
自分自身がそこに存在しているように五感をはたらかせ、
そこで暮らす人たちに共感を持ってもらえるように作りたかった」
と語ってくれました。
映画の説明には:
------
この作品は気候変動に揺れる三つの美しい島を見つめた作品です。
南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島。気候も文化も 異なる島でそれぞれに故郷を愛して生きる人々。撮影は、彼らの普通の“暮らし ”に焦点を当てて、3年がかりで行われました。絆を育む祭りや、長年受け継が れてきた伝統工芸、水辺のゆったりとした暮らし。そのどれもが、気候変動によ って失われゆくものです。
人々がもし、故郷の島を失うならば、長年育んできた固有の文化や歴史は“死” を迎えます。そのはざまで生きる姿は、私たちの未来を暗示しています。
あえてナレーションやBGMをそぎ落とした構成を選びました。波や風の音に耳 をすませ、子供たちの笑顔と旅する2時間余りの世界旅行。心を研ぎ澄まして内な る自分と向き合いながら見つめてほしいのです。本当に気候変動が起きた時、私 たちが一体何を失うのか?を。